リスクとリターンの関係

リスクを厳密に定義するのは難しいから、非常に曖昧だが、「資産を失う可能性」くらいに考えることにする。リターンとは期待できる利益のこと。リスクとリターンには正の相関関係があり、これを、「ローリスクローリターン・ハイリスクハイリターン」と表現する。

つまり、リスクを小さくすれば期待できる利益も小さくなり、高いリターンを求めればリスクも大きくなる。

例えば優良企業の発行する債券への投資はローリスクローリターンだ。優良企業だから、デフォルトの可能性は極めて小さい(ローリスク)。リスクが小さければ買いたい人が増えるから価格が上がり、利回りは小さくなる(ローリターン)。

債券であっても、経営が危ない企業の発行するものはデフォルトの可能性が高い(ハイリスク)。だから買い需要が少なく、そのために価格が下がって利回りは上がる(ハイリターン)。

株式は価格の変動が大きいから大損する可能性は高いし、倒産して株価がゼロになる可能性もあるからハイリスクだ。その代わりに何倍にも増えることもあるからハイリターンだ。

一般的に

債券のリスク < 株式のリスク

となるから、リターンについても

債券のリターン < 株式のリターン

となる。信用取引や証拠金取引などを用いるとレバレッジをかけることができるが、レバレッジが大きくなればリスクもリターンも大きくなる。

例えば、FXでドル円を取引する場合を考えてみよう。FXとはつまり通貨の交換だから、つまり両替だ。ドルと円とを両替するだけなら、それほど大きなリスクはない。

これにレバレッジをかけるからリスクが高くなる。レバレッジをかけるとは、つまり借金して取引しているようなものだから、高くなって当然だ。今は規制がかかっているから無茶な取引はできないが、昔は数百倍のレバレッジをかけることができた。だから大儲けした人もいるが、資産を一瞬で失った人もたくさんいる。取引業者に預けた資金よりも損失が大きくなれば借金を背負うことになるわけだから恐ろしい。

ローリスクローリターン・ハイリスクハイリターンの関係は常に頭に入れておくべきだろう。ローリスクハイリターンとか、ゼロリスクハイリターンなどと派手に書かれた広告を目にすることはあるが、リターンだけ高くてリスクが低いなんてことはまずない。そういう商品をみかけたら疑ってかかるべきだろう。

リスクゼロにしたければ投資しなければ良い。もちろんリターンもゼロだ。どれくらいのリスクなら許容できるのかを把握した上でリスク管理をする必要がある。

私の場合、余ったお金でETFを買い集めている。レバレッジはかけていないから、相場がどれだけ急変しても借金をかかえることはない。最も損する場合でも投じた資金の全額を失うだけだ。ETFは分散が効いているから、価格がゼロになることはまずない。仮に投じた資金がゼロになったとしても、もともと使う予定のないお金だから、なくなっても生きていけなくなるわけではない。これくらいのリスクなら許容できる。

しかし、生活に必要な資金を投資している場合には高いリスクを抱えることはできない。予想が外れて家賃を払えなくなる、なんてことがあってはならないから、リスクの低い債券やMMCなどに投資すべきだろう。

できるだけ指値

ETFの中には出来高の小さいものもある。例えば、1391はスイスの株価指数に投資できるETFだが、とにかく板が薄い。買気配と売気配の幅が大きいから、成行で注文を入れると不利な価格で約定することがある。 とにかく指値で注文するほうが良いかと思っている。板を見てから注文しなきゃならな...