インフレリスク

 インフレとは物価が上がることを意味する。例えば、今奈良1万円で買えるものが、1年後には1万2千円出さないと買えなくなる、というような状況だ。物の値段が上がっていくことを指す。

お金というのは、日常生活ではいろいろな物の価値を測るために用いられる。例えば、私の乗っている軽自動車は115万円で、私の住んでいるところの土地は1坪当たり100万円よりは安いから、この軽自動車は1坪の土地より高い、という具合に、物の価値の基準として用いられる。

普段の生活では、お金を基準として価値を測る癖がついているから、お金そのものの価値というものを考えない。しかし、お金も資産の一種でしかないのだから、その価値を考えることは大事だ。物価というのは、物の値段の事だが、お金の価値の逆だという感覚は必要であろう。

例えば、今なら100万円あれば軽自動車を買うことができるわけだが、もしも物価が2倍になったとすると、200万円出さなきゃ買えない。つまり、「100万円=1軽自動車」だったものが、「100万円=0.5軽自動車」になったわけで、100万円の価値は半減したことになる。物価が上がるとお金の価値が下がり、物価が下がるとお金の価値が上がるわけだ。

インフレとは物価が上がることを指すことばだが、それはつまりお金の価値が下がることを意味する。物価がそうたいして変わらないのなら、金をたくさん持っていれば安心だと考えても良いが、お金に頼ると痛い目を見る。

「ワシの若い頃は、10円あれば腹いっぱい食えた」などとお年寄りが言っているのをよく聞いたもんだ。日本はデフレの時代もあったが、長い目で見ればインフレが続いてきたからそんなことになるわけだ。

老後のために1億円くらい貯めて安心していたとしても、もしかすると何十年か後に、うどん1杯が1億円になっているかも知れない。インフレリスクというのは、こういうものだ。

預金や債券もインフレリスクを抱えている。例えば利回りが2%の債券を持っていたとして、物価が変わらなければ実質的に2%儲かることになるが、インフレ率が、例えば3%であれば、実質的には1%損することになる。

給料も同じで、給料が5%上がったと言って喜んでいたとしても、物価が10%上がったら貧しくなっていくということに気づかなければならない。

株式や不動産を所有することでインフレリスクを回避できる。不動産は分かりやすい。インフレとは物価が上がることを意味するわけで、不動産も「物」の一種だから、もちろん価格が上がる。株式や不動産をいくらかは持っておくというのは、インフレ対策になるわけだ。昔からお金持ちはそうやって資産を守ってきた。

昔はお金持ちしか株式や不動産を買えなかったが、今はお金持ちでなくても買える。ETFとREITは少額で投資できるから、私くらいの普通の人間にとっては非常にありがたい。


できるだけ指値

ETFの中には出来高の小さいものもある。例えば、1391はスイスの株価指数に投資できるETFだが、とにかく板が薄い。買気配と売気配の幅が大きいから、成行で注文を入れると不利な価格で約定することがある。 とにかく指値で注文するほうが良いかと思っている。板を見てから注文しなきゃならな...