純資産倍率 PBR

「純利益」は、ある一定期間に企業が稼ぐ利益であるのに対して、「純資産」は、ある時点で企業が持っている資産の価値を指す。このあたりは、複式簿記で言うところの損益計算書と貸借対照表の関係と同じだ。

株価収益率が純利益の点から株価を評価するのに対して、純資産の点から株価を評価するのが「純資産倍率」、「PBR」と呼ばれる指標だ。

企業A
株価 1,000円
発行済株式数  100万株
純資産 5億円 

企業B
株価 500円 
発行済株式数  500万株
純資産 15億円

まず、「1株当たり純資産」、あるいは「BPS(Books Value per Share)」を求める。言葉通りで、1株あたりの純資産を意味する。だから計算式もそのままで、

BPS = 純資産 ÷ 発行済株式数

となる。企業AのBPSは、

5億円 ÷ 100万株 = 500円 

企業BのBPSは、

15億円 ÷ 500万株 = 300円

となる。純資産で見た場合、企業Aの1株のほうが価値が高い。企業Aの1株は500円の純資産に値するわけで、現在の株価は1,000円だから、 2倍の株価がつけられている。このように、株価が1株当たり純資産の何倍なのかを示す指標が純資産倍率、PBRだ。つまり、

PBR = 株価 ÷ BPS

となる。企業AのPBRは、

1,000円 ÷ 500円 = 2倍 

となり、企業BのPBRは

500円 ÷ 300円 =  1.67倍

となる。純資産について考えれば、企業Bのほうが割安だ。これもPERと同じように、業種によって水準が異なるから、同じ業種の企業同士を比較するのが良い。

純資産倍率は、1倍より小さくなりにくい。例えば、企業Aの株価が下落して400円になったとしよう。発行済株式数が100万株だから、企業Aの株式をすべて買い集めるのに必要なお金は、

400円 ✕  100万株 = 4億円

みにとなる。4億円あれば企業Aの株を買い占めることができる。自分の会社だ。純資産が5億円あるのだから、売却すれば5億円手に入る。4億円支払って 5億円手に入れられれば、差し引き1億円の儲けだ。といわけで、PBRが1倍以下になると、買いが入ると期待されるために上がりやすい。

しかし、PBRが1倍を下回っているから買うべきだと考えるのは良くない。一時的に売られて株価が下がり、そのためにPBRが1倍を下回ったのなら良いのだが、長い間1倍を未満であるような企業は要注意だ。1倍を切ったのに誰も買いたがらないのだから、もしかすると何かあるのかも知れない。注意は必要だ。


できるだけ指値

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